こんにちは。
中学生と高校生の男の子二人の母です。
今日は、自分のことを少し書かせていただいて、自分の経験から思うことをいろいろ述べたいと思っています。
私が高校生の頃、もう30年前の話です。
女性は短大に進学する人がまだとても多い時代でした。短大=女子の行くところでしたし、女子しか入れない女子大の短大が多かったです。
どちらかと言うと、女の子は短大や大学を出て就職して数年で結婚するのが幸せ…のようなそんな時代でした。
結婚適齢期も25歳から遅くても27歳ごろと言うようなそんな雰囲気があり、27歳以上の女性は職場でもかなり居心地が悪かった時代だったように思います。
今考えると信じられない時代ですよね。
結婚適齢期なんて言葉、今なら使えないですよね(汗)
私は短大を出て2年ほど銀行に勤め、その後実家の家業を手伝いながら結婚の準備をしました。銀行は寿退社でした。(懐かしい響き…)
23歳で結婚式をあげました。周りよりも早めでした。
その自分の結婚式で、私は人生を変える職業に出会いました。
それは結婚式当日花嫁さんの為にお化粧したりヘアをセットしたり、あらゆる身の回りのお世話をするブライダルヘアメイクアーティストの仕事です。
もともと美容に興味を持っていましたが、短大を出て、美容師になったり、美容部員になったりと言うのは当時考えられず、選択肢にも上がりませんでした。
自分の中では好きと仕事は違っていたんですね。
しかし、結婚式で私の中の何かに火がついてしまいました。
そこからは、行動が早かったです。
若いしそもそも新婚でお金もないです。
結婚式で貯金を使い果たしました。
実家の手伝いをさせてもらいながらメイクの学校に通いました。
その学校時代は、美容部員のアルバイトをいくつかして、卒業後そのまま学校の講師アシスタントのお仕事をしました。とてもラッキーな滑り出しでした。
それとは並行して、ヘアセットの勉強をするためにブライダル専門にしているヘアメイク事務所に通いました
ヘアセットの仕方を習いながら、技術習得の段階に合わせて現場の仕事もしていきます。
最初は、本番ではなくドレスショップの仕事です。イベントでの体験ヘアメイク、次に前撮りのヘアメイク、そして次のステップとしてお式当日の参列者様のヘアメイクと言う風に少しずつできることが増えていきました。並行して現場のアシスタントも経験していきます。
また、ブライダル情報誌をみてヘアメイクが素敵だなと思った写真館に手紙を書いて、勉強させてほしいとお願いし、大阪から神戸まで通ったこともあります。
2時間かけて無給、交通費自腹で…
技術が向上できるなら全く平気でした。
今思えば、結構行動力ありますよね。また熱い思いもかなりありました。
そうこうしているうちに次第に事務所でも花嫁様のヘアメイクを担当できるようになって行きました。人で不足もあったのか、アシスタント経験もそこそこに花嫁様の担当をさせられた感じが強かったです。
花嫁様を担当していると、先輩のアシスタントとして入ることが無くなっていきましたので先輩の技術を見て学ぶ機会がぐっと減っていきました。自分自身は、もっともっと学びたいという気持ちが強かったのですが、なかなかそうは行きませんでした。
そんなこともあり、もっと自分を磨くために少し分野は違いますがCMや雑誌で活躍されているプロのアーティストさんの下でアシスタントをすることにしました。
プロの世界に足を踏み入れ、自分の意識が変わりました。
もちろん技術面でも勉強になりましたが、意識面で大きく影響を受けました。
この現場で良く言っていただいたのは、「他のアシスタントさんたちと雰囲気が違うよね」と言うことでした。
私のいないところでも「あの子はきちんとしているね」と周りの方たちから言っていただいていたようで、それをお師匠さんは誇らしく感じていたそうです。
のちにブライダルの仕事に戻りたくなり、アシスタントを辞める時にお師匠さんが教えてくださいました。
その言葉が、自分の選んできたことを肯定的に受け止められるようにしてくれました。
自分の中で遠回りしてきたのではないかといつも思っていましたが、社会人として銀行で2年間働いたことで、社会人としてのマナーや立ち振る舞い、また仕事への責任などたくさんのことを学ぶことができました。それは決して無駄ではなく、自分がやりたいことを見つけた時に、結果的に自分にプラスな影響をもたらせてくれていたのだと…
単純に遠回りだと思うことでも、もしかしたら、最終的には近道に導いていたかもしれない。
全く、関係ない職種で無駄だと思ったとしても、そこで得たものがじわじわっと活かされることもあるかもしれないです。
その後、私は夢はかないました。
目標だったフリーランスのブライダルヘアメイクとして働くことができました。
今の若い世代の人たちに、いろいろなことに挑戦してほしいと思います。
と言うか、我が子に向かって伝えたいことなのですが…
これからの時代、いろいろな働き方があると思います。ある意味、可能性のある時代でもありますが、何も自分に強みがなければ挑むのが難しい時代でもあると思います。
だから、今どんどん自分の強みを作っていってほしいと思います。
なんでもいいんです。クラブ活動でも、趣味のことでも…。頭の中でいろいろなアイデアを考えることでも…。
どんなことでも、やった後何らかの達成感を味わえる…自分になんだかプラスになったな…と思えるような、そんなことをしてほしいと思います。
私は高校生の時に、クラブ活動に一生懸命取り組みました。
全国レベルには到達しませんでしたが、チームでいくつもの賞を手にしました。
大変だったけど、やり切った思いがあります。
我が家の姪っ子は、小学校から高校まで私立の一貫校に通っていました。
中学時代にあるテーマについて学校で活動をする機会があったそうです。それが終わった後、特にそのテーマについて行動したことはなかったのですが、高校になって、むくむくとそのことに深くかかわりたいと思うようになり、高校の先生に相談したところ、たまたま、そのテーマの新たなプロジェクトの話が出ていることを知り、かつ学校から一人審査で選ばれるとのことでした。
姪っ子はプロジェクトに応募し、見事メンバーになることができ、その後も、そのテーマについて一生懸命活動するようになりました。
とにかく行動的で、企業に自ら連絡して話を聞きに行ったりもしていたそうです。
学校外の活動でしたので、大人の方とも話す機会も多かったようです。
その分野で賞も獲得したりもしたそうです。
そのことが評価され最終的には関東の最難関大学にAO入試で合格しました。
ずば抜けてお勉強ができた方ではなかったようですが、自分の興味を持ったことに熱意を持って取り組んだ結果、周りが予想していなかったような一発逆転な結果をもたらしたようです。
高校卒業後すぐから、企業のインターンとして頑張っています。
うちの長男は今何も興味がなく、抜け殻のようになっています。
一時、このタイトルのように夢を語っていたことがあったのですが、今は抜け殻です。
私は、今の時代、何かに興味をもって、その興味の為に行動に移せるってことは昔より難しいことだと思います。
今は、面白いことが豊富にありすぎます。
本当の面白さかどうかはともかくとして…
自宅でも外でもいつでも映画を携帯で観られる環境だし、ちょっとした暇な時間でも暇が駄目かのように携帯で何かをしてしまう環境、ゲームだって家でも外でもできちゃいます。常に自分が楽しくいられるような環境に身を置けてしまいます。
こんな環境の中で、興味のあることに一生懸命取り組もう!と言う気持ちまで持って行くのってすごく大変なような気がします。
ヒマな時間もヒマではなくなり何かをしている状態で、ぼーっとする時間もあまりないのではないでしょうか?
することもなくぼーっと電車に揺られている時ってあるのかな?
家で、ぼーっとベッドに寝転がり天井を眺めることってあるのかな?
何かをひらめく時間ってあるのだろうかとさえ感じてしまいます。
また、刺激を受けることが非常に難しくなっているのではないかとも感じています。
刺激のハードルがかなり高くなっているのではないかと思うからです。
ちょっとやそっとの刺激ではもう心を動かされない時代なのではないかと心配しています。
長男も今年の夏少し刺激を受けた様子を感じられましたが、その刺激も持続性が短く、時がたつとともに薄れてしまいました。
所詮周りがどうすることもできないことはわかっています。
でも、一度しかない高校時代をこんな過ごし方でもったいないな…と思ってしまいます。
すみません、話があちこち飛んでしまいました。
でも、結局言いたかったのは、無駄なことなんて一つもないということでした。
その定義だと長男の抜け殻の日々も無駄ではないと思える日が来るのかもしれませんね。